今年の後半に入ってから、
シニア犬の飼い主さまより
「お世話になりました」
「長い間ありがとうございました」
というご挨拶を立て続けにいただくようになりました。
この言葉を聞くたびに、胸の奥が静かに締めつけられます。
うちの基本は「最後まで」
うちのサロンの基本は、最後までお預かりすることです。
シニアになったから
暴れるようになったから
認知症が進んだから
体力が落ちて、時間がかかるようになったから
——高齢犬によくあるこうした理由で、
お断りすることはありません。
もちろん、無理をさせないこと、
その子に合ったやり方に切り替えることは大前提です。
でも「年を重ねたから」という理由だけで、
関係を手放すことはしたくないと考えています。
シニア犬が多いサロンとして
うちに通ってくれている子たちの、
およそ3〜4割はシニア犬です。
若い頃から通ってくれている子もいれば、
シニアになってからご縁がつながった子もいます。
だからこそ、
「いつか来るその時…」
そんな覚悟を、心のどこかに置きながら日々向き合っています。
それでも、お返しするときにはいつも同じ気持ちです。
「次も元気で来てね」
その一言に、嘘はありません。
飼い主さまへ
大切な家族との別れのあと、
わざわざご連絡をくださる飼い主さま。
つらい気持ちの中で、
それでも伝えてくださるそのお気持ちに、
こちらこそ、感謝しかありません。
その子と過ごした時間、
触れた毛の感触や、
テーブルの上で見せてくれた表情は、
今もはっきり覚えています。
また会える日まで
また会える日が来るかもしれないし、
もう会えないかもしれない。
それでも、
一緒に過ごした時間は確かにここにあって、
その子たちは、うちのサロンの歴史の一部です。
これからも変わらず、
その時その子にできることを、
静かに、誠実に続けていきたいと思います。