予約をお断りする日々の中で思うこと

この時期になると、ありがたいことに新規のご予約のお電話を多くいただきます。
一年でいちばん問い合わせが集中する季節です。

けれど現実には、
「申し訳ありません、現在空きがなくて…」
そうお伝えする日が続いています。

申し訳ない気持ちと、
正直なところ「勿体ないな…」という気持ち。
その両方があります。

毎年、常連のお客様には早めのご予約と、できるだけ分散してのご利用をお願いして、
新規の方を受け入れられる枠を少しでも確保できるようにしています。
それでも、どうしても限界があります。

ご新規さんにとっては、
もし一度きちんと関われれば、
グルーミングやしつけに対する苦手意識が軽くなり、
犬も飼い主さんも、その先の生活がずっと楽になるはずです。

サロン側にとっても、
繁忙期の売上が安定するだけでなく、
噛む・暴れる・触らせないなど、
いわゆる「問題行動」を抱えた犬が減り、
結果的に現場はもっと落ち着き、楽になります。

昔のように、
日付が変わるまで働くことができないわけではありません。
体力的に「やれない」わけでもない。

ただ、
そこまで無理をしても大丈夫な状態まで整っている犬が、
年々少なくなっているのが現実です。

そういう時、ふと思います。

「やっぱり、うちで繁殖した犬だったら、
 もっとお互いに自由で、もっと楽なのにな」と。

迎えた時から関わり、
性格も癖も把握していて、
グルーミングも人との付き合い方も、
少しずつ積み重ねてきた子たち。

犬にとっても、
人にとっても、
そして現場にとっても、
“無理がない”というのは、やはり大きいのだと思います。

今はただ、
この現実と向き合いながら、
できる範囲で、できるだけ誠実に続けていくしかありません。

それでも、
こうして考える時間があるということ自体が、
この仕事を長く続けてきた証なのかもしれません。

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この記事を書いた人

犬と猫のグルーマー、ペットライフコンサルタントとして活動しています。また、ペットをテーマにしたオリジナルイラストグッズも制作しています。

ペットそれぞれの個性やライフスタイルに合ったお手入れやアドバイスを大切にしながら、飼い主様とペットがもっと幸せになれるお手伝いをしています。

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