動物取扱業における繁殖頭数の報告義務
動物取扱業者には、毎年5月に繁殖に用いる頭数を報告する義務があります。
これは、繁殖の実態を把握し、動物の適正な管理を行うための制度です。
昨年、ブリーディング再開に向けて新たに犬を迎えたため、
その子を繁殖予定の「1頭」として正しく報告しました。
繁殖を「行わない」という判断
迎えたからといって、すぐに繁殖を行うとは限りません。
犬の状態とタイミングを優先する考え方
成長の過程や心身の安定、生活環境などを見ながら、
昨年は繁殖を行わない判断をしました。
秋に提出した状況調査の報告書にも、
「昨年はブリーディング無し」と正直に記載しています。
保健所からの立ち入り調査の事前連絡
今回、その内容について確認したいということで、
保健所から事前連絡のお電話がありました。
電話での説明と調査見送りの判断
これまでの経過を説明したところ、
「わかりました。今回は立ち入りは行いません」との返答でした。
その際、ひとつ気になる質問を受けました。
獣医師による繁殖の「許可」とは
「獣医師から健康診断や繁殖の許可は受けていますか?」
という問いです。
医学的判断と繁殖者の判断の違い
獣医師による健康診断はとても重要です。
妊娠・出産に耐えられるかどうか、
医学的な視点からの確認は欠かせません。
ただし、
「繁殖をするべきかどうか」という判断は、
検査数値だけで決められるものではないと感じています。
現場でしか見えない要素
気質、成長の過程、生活の安定、
血統全体として次の世代につなぐ意味。
こうした要素は、日々その子と向き合う中でしか分からない部分です。
「やらない」判断も繁殖者の責任
「今できる」から「やる」のではなく、
「今はやらない」という判断も、
繁殖者にとって大切な責任だと考えています。
これは、
無理のない繁殖を行い、
次の世代の健康と生活を守るための判断でもあります。
法律と現場、その間にあるズレ
今回対応してくださった職員の方が悪いわけではありません。
法律に基づき、確認を行われているだけだと思います。
制度と命の現実を近づけるために
書類上の管理と、
生き物の成長や状態には、
どうしてもズレが生じます。
そのズレを誰かの責任にするのではなく、
現場の声や実情が、
少しずつ制度に反映されていく仕組みがあればと思います。
おわりに
今回の出来事を通して、
あらためて「繁殖とは何か」「責任とは何か」を考えました。
法律を守ることと、
命と向き合うこと。
その両方を大切にしながら、
これからも一つひとつ、
丁寧な判断を重ねていきたいと思います。